収納・空間利用で差別化の賃貸住宅を

皆様こんにちは。住宅・不動産・土地活用・不動産投資のコンサルをおこなっていますコミュニケーションバンクの山本です。 

 土地の有効活用には、建ぺい率・容積率を最大限に活かすことがポイントになります。容積率には緩和措置があり、ロフト・小屋裏収納(屋根裏部屋)・地下室・バルコニーは、それぞれ細かい制限がありますが延床面積に入りません。このような空間・スペースは、賃貸入居者に、収納・書斎・ベッドスペース・備蓄庫として利用いただけますし、地下室はオーディオルーム・防音スタジオなどとしても人気があります。 

 コロナ禍で、仕事も勉強も趣味も家で過ごすことができることがお客様のニーズにあります。災害に備えた備蓄庫も欲しいし、収納スペースもますます必要になります。でも大家さんとしては、大きな部屋をつくると貸せる部屋数が減ってしまいます。  

 皆様の土地活用、老朽化アパートの建て替えの際に、土地や建物の能力を最大限に利用いただけるようご提案したいと考えています。
 空間利用の例として、ベッドスペースの下にワークスペースをつくることができる会社があります。楽しそうな空間ですね(セレコーポレーションさん資料から)。

 また、アズ企画設計主催の不動産情報交換会に良く参加しているミサワホームさんが、収納で差別化できるアパートを展開しています。

 天井高を抑えつつ、1階には蔵という収納スペーススキップマルチルーム、2階にもスキップマルチルームを設けてくれます。スキップマルチルームで、仕事や遊ぶことが自由にできます。収納率:1階約16%、2階約11%を実現しています。*プランにより異なります(賃貸マンション平均収納率約8%)。2階のロフトだけでなく、1階にも空間を多くつくることで、1階の空室リスクを抑えることができます。

 皆様のアパートはどれくらい空間利用ができているでしょうか?このような空間設計は最初が肝心です。後から付け加えることはかなり難しいと言われていますので、建築計画がある大家さんには是非提案を受けていただきたいです。

 ご興味がある方は、アズ企画設計様にお問い合わせください。私からご紹介申し上げます。

 また、老朽化アパートを所有していて、売却にご興味があるかたも、事前調査を無料で行いますので、是非お問い合わせください。

 それにしても、アズ企画設計不動産交流会は本当に宝の山です。不動産会社の皆様には参加をお勧めします。

知っておきたい税務の知識【不動産購入による相続税対策について】


令和4年4月19日、最高裁で下された相続税関係の判決に注目が集まっています。本コラムでは問題となった事案について、簡単にご紹介したいと思います。

<事案の概要>
 ご高齢の男性が相続対策を目的として、借入をして不動産を購入→その後、男性のご相続が発生→「財産評価基本通達」に則り評価をした結果、相続税はゼロ円に→税務当局が、財産評価基本通達ではなく不動産鑑定評価で計算すべき、として更正
→最高裁の判決で税務当局の主張する評価が妥当と判断

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中途解約の場合の残存期間の賃料の支払

中途解約の場合の残存期間の賃料の支払

(質問)

弊社は、都心に新築したビルのワンフロアを、A社にオフィス用途にて期間5年として賃貸し、特約に、賃借人A社が期間満了の前に中途解約するときは、違約金として期間満了までの残存期間の賃料を一括して支払う旨を定めていました。ところが、契約から1年後に、A社は、コロナ禍でのテレワークで賃借フロアが過大になったとして中途解約を申入れてきました。
弊社は、特約通りに残存期間の賃料の一括払いを請求できますか。

(回答)

前回は、中途解約の場合特約通りに残存期間の賃料の一括払いを請求できるかについて、東京地裁平成8年8月22日判決を挙げ、こうした場合の違約金の相場は、残存期間の賃料全額ではなく1年分程度であろうとする見方もあることを紹介しました。
しかし、賃借人がある程度規模のある会社で諸々の取引にも精通し、あるいは対象物件の賃借のニーズから、違約金条項など十分理解した上で契約したような場合、残存期間の賃料全額を違約金とする特約を有効と認める判例もあるので、貴社のケースでも参考にすべきです。

そうした判例のひとつ東京地裁平成20年1月31日判決は、賃借人がコンビニ営業する会社で、期間は10年間、中途解約の場合は残存期間の賃料を一括して支払うとの特約のもと、賃借人が契約から3年未満で中途解約したケースです。
判決は、本特約は、賃借人が、対象建物でのコンビニ営業の機会を競争他社との競争で勝ち取りたいがために、あえて自己に不利で賃貸人に有利な条件提示をした結果、賃借人が期間10年分の賃料収入を賃貸人に確保させるべく特約を結んだと認定しました。
そこで、特約は中途解約の場合の残存期間の賃料全額相当の賃貸人の損害を填補するものとして有効であり、残存期間の賃料請求はできる旨判示しています。 

 もう一つ、東京地裁平成22年6月24日判決は、賃貸人は大手不動産会社の組成したファンド会社、賃借人はブリヂストンの子会社で、期間3年、賃借人は中途解約ができないが、期間満了までの残存期間の賃料を一括して支払う場合は中途解約できるとの特約のもと、タイヤ保管用の倉庫を借りたが、3か月後に中途解約の申入れをしたケースでした。
判決は、賃借人は、残存期間の賃料支払義務を免れないことを認識して契約締結していると認定し、更に、賃貸人が新たな賃借人と賃貸借契約を締結して旧賃借人からの賃料の他に賃料をダブルでとる場合もあることを当然に予想していたとまで認定して、賃貸人が解約後に第三者に賃貸して賃料を取っていても、賃借人に対する残存期間の賃料請求は許される、と判示しました。

コロナ禍を乗り越えた賃貸住宅で差別化を

皆様こんにちは。住宅・不動産・土地活用・不動産投資のコンサルをおこなっていますコミュニケーションバンクの山本です。今回のテーマは「コロナ禍を乗り越えた賃貸住宅で差別化を」です。

 弊社発行「いえ活手帖10」に掲載しているデータをご覧いただきますと、
〝コロナ禍をきっかけに半数近くが住意識に変化〞とあります。

「コロナ禍で住宅で不便に感じること」は、オンオフの切り替えがしづらい。
運動できるスペースがない。部屋が狭い。近隣の音が気になる。
仕事用の部屋やデスクや椅子がない。ネット環境が悪い。と、納得の結果を確認できます。

 ここに、新しいニーズに対応する賃貸住宅のヒントがあります。仕事や趣味のスペーズがありで音の問題が解決ができれば、勝ち残れるチャンスが増えるということです。

「住まいに求める条件も変化へ」のデータをご覧いただきますと、先ほどの不便に感じることを解決したいということが見えてきます。
部屋数・広いリビング・日当たりの良い住宅・遮音性・省エネ性・収納量・換気性能・宅配ボックス・仕事用のスペース・庭・インターネット環境等が、キーワードになりそうです。

 私もZOOM会議や、WEBセミナー・相談会の機会がかなり増え、スペースや遮音性、ネット環境や省エネへのニーズが大きくなっています。
皆様のアパート・マンションは、新しいニーズに対応できていますでしょうかこれから新築アパート・マンションを建築する地主さんや、買い増しや組み換えを検討している不動産投資家の皆様は、このようなニーズに応えるアパート・マンションを建てたり購入することで、コロナ禍前に、建築したアパート・マンションと圧倒的な差別化を図れます。

 先日ご相談のあった地主さんは、同じエリアに複数棟のアパートとマンションを持っていて、全て別のハウスメーカーで建てているとのことです。自分が持っているアパート同士が競合しないように考えていらっしゃいました。
今回は、老朽化したアパートの建て替えを検討していらっしゃるとのことで、ご自宅にお伺いしましたところ、圧倒的な差別化の提案をご希望されていました。
廊下スペースをできるだけ無くして、部屋数・収納スペースを強化したいとおっしゃっていました。流石です。地主さんはよく勉強していらっしゃる方が多いです。

 オーナーさんのお好み、場所や敷地の大きさ、周辺の賃貸需給等にぴったりのハウスメーカーや建築会社をご紹介しますので、是非お問い合わせ下さい。

予備的遺言とは?

 

当事務所の相談事例をご紹介します(実際のご相談とは一部内容を変更しています)。

「妻子がいない私(A)は、自分の死後、自宅の土地建物を妹(B)ではなく弟(C)に全て相続させたいと考えて、そのような遺言書を作成してあります。
ところが最近弟(D)が重い病気にかかり入院してしまいました。
もしも弟が私よりも先に亡くなってしまった場合、私の自宅は、私の遺言書の内容をふまえて、全て弟の子(D)に代襲相続されるのでしょうか」

遺言で指定した財産の相続人が、遺言者よりも先に亡くなってしまった場合、遺言書の該当部分の解釈をどのようにするかという問題があります。
結論から言うと、このケースで弟のCさんがAさんよりも先に亡くなった場合、Aさんの死後、この遺言書だけでは、弟の子のDさんがAさんの自宅を相続することはできません。

 根拠は以下の最高裁判例です。
最高裁平成23年2月22日判決「『相続させる』旨の遺言は、当該遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には、
当該『相続させる』旨の遺言に係る条項と遺言書の他の記載との関係、遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などから、遺言者が、上記の場合には、当該推定相続人の代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限り、その効力を生ずることはないと解するのが相当である。」

 冒頭のケースでAさんよりも先にCさんが亡くなってしまった場合、Aさんの遺言書の該当部分は「特段の事情がない限り」効力が生じないものとなってしまいます。
そうすると、Aさんの死後、自宅については法定相続人全員で遺産分割協議をしなければなりません。当然にDさんがAさんの自宅を全て相続することはできないのです。

 自分よりも先にCさんが亡くなってしまった場合はDさんに自宅不動産を相続させたいとさんが考えているのであれば、その希望を例えば以下のように遺言書に明示しておく必要があります。
「第1条遺言者は、遺言者が所有する下記不動産をC(昭和××年×月×日生まれ)に相続させる。第2条遺言者より前に又は遺言者と同時にCが死亡した場合、遺言者は前条記載の不動産をCの子であるD(平成△△年△月△日生まれ)に相続させる。」
このような遺言を「予備的遺言」又は「補充遺言」などと呼びます。
一度完成した遺言書でも、後日書き直すことは可能です。
冒頭のAさんの状況であれば今からでも遺言書を書き直すべきでしょう。
遺言書の作成や書き直しにあたっては、弁護士や司法書士に相談して慎重に文言を検討することをお勧めします。