はじめの一歩

友人の言葉「ホテルって、泊まりに行く所であって、決して君みたいに買っちゃうとこじゃないんだよ(笑)」
・・・確かに私もそう思っていました、2014年の秋までは。

もうすぐ50才になろうという頃、海が見える別荘が欲しかったんです。
あと10年くらい働いて定年になったら、仕事を引退してのんびり過ごしたい。
出来れば東京からアクセスの良い場所がいいな。

 あれは、とある金曜日の午後4時。取引銀行の支店長からの電話でした。
「いい売り物件があるから、資料だけでも見てみませんか?」
「はぁ、はい・・・。」
あまり乗り気ではありませんでしたが、その時に少しだけ私の頭の中を「これから何か面白い事になるかも知れない」との予感がよぎりました。
仕事の帰りに銀行に立ち寄ったところ、支店長から売却物件の資料を手渡されました。
まさかそれが人生を大きく変える事になろうとは・・・。

「ペットと泊まれるホテル?うち、犬も猫も飼ってないし。あまり興味無いですねぇ。誰がわざわざ犬を連れて旅行に行くんですか?でも一応、お借りしておきます。」
 週末のオフ時間を利用して家のパソコンで検索。
すると出るわ出るわ、そのホテルに泊まった多くのお客様の楽しそうなブログが次々と。
どれも可愛いワンちゃんと部屋の中の様子、夕食の前菜からデザートまで全ての料理の紹介、庭で遊ぶワンちゃん達の姿が画像付きでアップされていてビックリ。
それまで私はこのようにペットに対する深い愛情の世界を知りませんでした。
ペットと泊まれるホテルって、こんなに人と犬から喜ばれる業態なのだと初めて知り、まだまだ大きな需要があるに違いないと興味が湧いてきました。

 そして自分が別荘を欲しかった事を思い出しました。
別荘を持つと維持費が出てゆくだけだけれど、ホテルを持てば収入になるからいいかも。
少し都合良く、強引に発想の転換(笑)。

 東京からのアクセスも悪くなく、建物はコンパクトで小さいのですが全ての部屋がオーシャンビューとの事。
これは一度、確かめに行ってみよう!
早速、現地物件を視察に行きました。
お客様がチェックアウトして客室を清掃する時間帯に一部屋ずつホテルスタッフに案内してもらいます。
まだ建てて数年しか経っていないので、どこも奇麗。

視察の様子

 しかし思わぬ障害が立ちはだかります。
このホテルには貴賓室=1泊10万円也の部屋があるのですが、
スタッフが「今日は中を見せられません」と言うのです。
えー、何で何で?うっそだろー。
わざわざ東京から見に来たというのに。

客室からの眺め

「すみません、連泊のお客様がお部屋にいらして・・・」
な、なぬ~?10万円の部屋に連泊だとぉ!?
このスタッフの一言でこのホテルを買う事に決めました(笑)。
愛犬家の中でもある層は出費を惜しまないのだと知りました。

 ただ予想し得るリスクも事前に考えておかなければなりません。
もしお客様の趣向が変化してホテルの稼働率が下がったらどうしよう?
その時は宿泊事業をやめて部屋ごとに区分所有にして海が見える別荘として分譲で売ればいいや、と覚悟を決めました。

幸いにも支店長からのお声掛けという事で、銀行が購入資金を融資してくれました。
こうしてカーロ・リゾートグループが持っていた宿泊施設の一つをオーナーチェンジで譲ってもらい、運営は引き続きカーロに任せる形にしたのが、私がペットと泊まれるホテル事業に関わる最初の一歩だったのです。
人生って何が起きるかわかりませんね。
銀行からの不動産投資のお誘いなんて断る事も簡単に出来たのですが、
「何だか面白いかも」と話に乗ってみたら結果的に50才にしてオーシャンビューのホテルを持てちゃいました。
こんな人生、全く予想していませんでした。
ホテルは泊まるところであって、決して自分で持てるものだと思っていませんでしたから(笑)。
不動産はご縁もの。
皆様もアズ企画設計の物件情報を定期的にチェックして頂き、
良いご縁に出会える事を祈っております。

カーロ・リゾート はんなり伊豆高原

https://caro-foresta.com/izu/

【弁護士に聞こう!】ライフライン停止の場合の賃料は?

(質問)
 弊社は、所有する建物の1階フロアを飲食店テナントAに賃貸していますが、最近の災害によって、建物そのものの損傷はなかったものの、地域の電気、ガス、水道などライフラインが停止し、それぞれ2週間もの日数が経過してやっと復旧しました。テナントAからは、その月の賃料(30万円)の半額程度の減額を要求されていますが、応じるべきでしょうか。

(回答)
 民法第611条第1項によれば、賃貸物件が一部滅失その他の事由で使用収益ができなくなった場合は、賃借人の帰責事由によらないときは、使用収益できなくなった部分の割合に応じて賃料が当然に減額されるものとされています。貴社の相談事例のように、賃貸建物自体に「一部滅失」という損傷がない場合でも、「その他の事由により使用収益ができなくなった場合」には賃料減額となります。

 テナントAのケースは、電気、ガス、水道などのライフラインの停止という賃借建物の一部滅失以外の「その他の事由により使用収益ができなくなった場合」と考えられます。この場合は、前記の民法の規定により、使用収益が妨げられている期間つまりはライフラインが停止している期間の賃料の減額が認められ、賃貸人である貴社は、賃料の減額を認めざるを得ないでしょう。

 問題は、どれだけの減額になるかです。前記の民法の定めでは、賃料の減額の程度は、「使用収益ができなくなった部分の割合に応じて」とされていますが、法令や判例上特に基準があるわけでもありません。賃貸借契約書に定めがあればそれによりますが、多くは定めがないでしょう。一つ参考となる(公財)日本賃貸住宅管理協会の「設備等の不具合による賃料減額のガイドライン」によれば、電気や水道の停止の場合はいずれも賃料月額の3割減で修繕完了日(但し2日間は控除)までの日割り計算、またガスの停止の場合は賃料月額の1割減で修繕完了日(但し3日間は控除)までの日割り計算をして、減額分を算定します。貴社の事例では、復旧に2週間要したとのことで、ひと月30日として、電気や水道では、各々、30(万円)×0.3×(14-2)/30=3.6(万円)、ガスでは、30(万円)×0.1×(14-3)/30=1.1(万円)、三者合計8万円程度の減額が目安となるでしょう。

 これによれば、テナントAの主張する賃料の半額の減額要求は過大でしょう。

「ワケあり物件」のマイナス要素を魅力に変える方法 Part2!POINTは【担当者の〇〇〇】

POINTは【担当者の信頼度】

 前回のハウスくん通信で空室改善策の1つ、短期賃貸の話をしました。新型コロナが、5月8日から5類感染症となり、社会生活が以前に戻ったことで、都心の空室が急激に改善しています。店舗リーシングの会社では、申込が殺到してうれしい悲鳴となっています。これからは都心一等地の空室物件は、オーナー優位に戻っていくと思われます。

 さて、今回は人についての話です。不動産の売買や賃貸は、どれだけネットが発達しても物件をみて希望条件をすり合わせて、最後は相対で契約となります。

 私もお客さんとして、不動産を売買したり賃貸するケースがありますが、担当者の選定には気を使います。基本的には、信頼できるかどうかです。

 その人が信頼できるかどうかの判断はとても難しいです。ここでは、私の経験上の信頼度調査方法をお話しします。

1,レスポンスが早い。
 レスポンスが遅いと、意思決定に時間がかかり、その分コストがかかります。不動産の売買、賃貸どちらであっても、相手となるお客様が対象となりますので、仲介の不動産会社の担当者が双方のレスポンスを迅速にトスしてくれないとコミュニケーションが緩慢になり、トラブルを引き起こす可能性が高まります。よって、レスポンス、特に着手の速い担当者を選んでいます。

 私は、出会って最初のうちは、まめにこちらから連絡やメールをするようにして試しています。もし、私が期待するスピードでレスポンスがない場合は、依頼する会社を変えます。同じ会社で担当者を変えることは面倒なので、会社を変えてしまいます。ただ、例外としてこちらの要望を察して担当者の上司が迅速に対応できる場合、上司に変更してもらいます。

2,要件が簡潔正確。

 話してみると話が長く、長電話や長文メールの方が時々います。こういった方はトラブルメーカーとなることがあります。暇なときの飲み会でも長話は閉口しますが、ビジネスマナーとして長電話や長文メールにはリスクがあります。要件がぼやけて、双方の要望をずらしてしまうからです。ビジネスは要件を簡潔正確に伝達できる担当者がベストです。テストとして複数の要件を伝達して、どう対応するか試してみてはどうでしょうか?

3,約束を守る。

 当たり前でのことですが、不動産の売買や賃貸の契約は約束事です。決めたことを守ることで契約ができます。購入しますといって、書面をもらっても、キャンセルするケースがあります。これは、仲介者の信頼度にも原因があると考えています。仲介者が小さな約束を確実に守る人だと取引相手双方に理解されていれば、信頼感をもって手続きを進められます。テストとして、最初は打合せを多めに行い、遅刻や変更がないか試してはどうでしょうか?

「ワケあり物件」のマイナス要素を魅力に変える方法Part2【〇〇賃貸で一旦空室を埋める】

POINTは【短期賃貸で一旦空室を埋める】

地方に行くと駅前のシャッター通りを時々目にします。
人口減少でテナントの需要がなくなり、空室が増えて街に活気が出ない状況です。
都心でもコロナの3年間で、一等地のビルの空室が増えてしまいました。
これからの1年は、この空室を粘り強く営業して埋めていく時期になります。

徐々に空室が少なくなっていますが、
商業ビルの空室はまだコロナ前のように満室になっていません。
テナント様も様子見状態で需要動向をシッカリとつかんだ上で条件交渉をして出店を検討しています。
そのため成約までに時間がかかっています。
コロナ前でしたら、満室なので空きが出ても、複数の申込が入りました。
今はまだ借り手有利の状態です。
これから空室率が下がってくれば、オーナー様有利の状態に戻るでしょう。

空室募集の一方法の短期賃貸ついて解説します。
空室募集の一方法として、ポップアップストアという短期運営形態があります。
ポップアップストアとは、数日~数週間程度の比較的短い期間限定で開設されるショップです。
ポップアップとは、英語で突然現れるといった意味を持っています。
いきなり出店してすぐ消えてしまうのが特徴で、
商品やブランドの認知拡大、新商品のプロモーション、テストマーケティングなどが目的で出店されることが多いです。

2つ目の短期空室活用法です。
バッタ屋さんが大量の不良在庫や倒産品などを安く買い取り、
空き店舗などを短期間借りて、
チラシなどで宣伝をして短期間で売り切る方法
があります。
興味本位で買い物したことがありますが、
紅白幕が張ってあり、法被姿の店員さんがマイク片手に衣類や小物などをバナナのたたき売りのように販売をしていました。
在庫処分業の方に短期で賃貸する方法です。

3つ目の短期空室活用法として、
電動マッサージ機などをお客さんに試してもらい販売する方法です。
空調が効いた空室に機器を設置して、
検討客にお試し利用していただき、
気に入ってもらったら買っていただくという営業方法です。
3か月から半年ほど借りてもらえるようです。
弊社の社員も1台購入したことがあります。
デモ販売業者に短期で賃貸する方法です。

4つ目として、コロナ禍に急激に出現したPCRセンターなども短期の空室利用法です。
こちらは、予想外に長く賃貸となっていますが、まもなく解約となります。

以上4つの短期空室利用法は、テナント側だけでなく、オーナー側にもメリットがあります。
賃料が入るだけでなく、人が集まることにより、その場所を認知させ、活気づけることができます。
お客様を呼び込み、将来の見込み客(テナント様)をつかむ可能性もあります。
長期空室で悩んでいるオーナー様は、短期賃貸を試してみてはどうでしょうか。