自筆証書遺言制度の法改正で目録の自書は不要に

自筆証書遺言制度の法改正で目録の自書は不要に

現在、遺言書の作成にあたっては、自筆証書遺言、公正証書遺言の2つの方法がよく用いられています。このうち自筆証書遺言については以前から多くの欠点が指摘されていました。
全文と日付を自書して、署名と押印をしなければ無効な遺言書となってしまう点、いつでも簡単に変更ができる半面、他人が簡単に変造、偽造できてしまう点、遺言者の死後、数週間かかることもある家庭裁判所の検認手続きが必ず必要である点、等々です。これらを踏まえて、今回、自筆証書遺言制度の法改正がされました。

まず、自筆証書遺言をする場合でも、例外的に自筆証書に相続財産の全部または一部の目録を添付するときは、その目録については自書しなくてもよいこととなりました。

本文は必ず自書する必要があるものの、目録は遺言者以外の人が作成することも、パソコン等で出力して添付することもできるほか、土地について登記事項証明書を財産目録として添付することや、預貯金について通帳の写しを添付することも可能となりました。この改正については今年1月3日に既に施行されています。

そして、自筆証書遺言は法務局で保管することができるようになります。保管された自筆証書遺言は遺言者本人であれば閲覧することも、保管を撤回することもできますが、遺言者の生存中、遺言者以外の人が閲覧等をすることはできません。法務局で保管された自筆証書遺言は、その後家庭 裁判所で遺言書の検認手続きをする必要もありま せん。
この改正は令和2年7月10日に施行される予定となっています(施行前に法務局に遺言の保管申請をすることはできません)。

これらの改正で、従来の自筆証書遺言の欠点は大きく補うことができるようにも思われます。しかし、注意が必要な点もいくつかあります。例えば、遺言者の死後、法務局の遺言書保管官は、相続人に遺言書の閲覧等をさせたときは、速やかに、遺言書を保管している旨を他の相続人等に通知することとされています。法改正後も一部の相続人 にのみ遺言書の存在や内容を秘密にすることはできません。

自筆証書遺言をご検討の際は、改正を踏まえてもなお専門家にご相談されることをお勧めします。

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