孤独死リスクについて考える

賃貸しているお部屋で孤独死が発生すると、その後始末にけっこうな費用がかかってきます。孤独死というのは単身世帯で誰にも看取られずに亡くなることですが、孤独死の現状を最新の統計から見てみましょう。

まず全体の中の単身世帯の割合ですが年々増加傾向で2017年の統計では全体の27%となっています。(2017年日本少額短期保険協会)つまり4世帯のうち1世帯は単身世帯というわけです。そして年間の孤独死者数は推計2.7万人(2018年9月18日朝日新聞発表)と言われています。この数字は年々増えており過去15年間でなんと2倍に増えています。死因別の割合ですが、病死62.3%、自殺11.3%、事故死1.8%、不明24.6%、となっていて平均年齢は61.3歳で65歳未満の割合が全体の50.8%となっています。また自殺者の年齢別の割合では40代までが72.8%(以上2017年日本少額短期保険協会)となっており孤独死が高齢者だけの問題ではないことがわかります。

冒頭の後始末にかかる費用ですが、どのくらいかかるものでしょうか?

  1. 残存物処理(遺品整理)費用  平均214,120円、最大1,781,595円
  2. 原状回復費用(清掃・消臭、畳・床・壁紙等交換費用)平均361,392円、最大4,158,000円(以上2019年日本少額短期保険協会)

馬鹿にならない費用ですね。また、死亡事故が発生したことによる空室期間の家賃収入の消失や値引きによる家賃収入の目減りもあります。

ではこういったリスクにどう備えればいいでしょうか?ここ5年くらいの間に大手損保会社が『家主費用補償特約』という火災保険の特約の販売を開始し、この特約によって孤独死によって発生する費用をカバーできます。残存物処理費用、原状回復費用については100万円を限度に掛かった実費を、家賃収入の損失については最大12か月まで補償されます。 また、この特約は火災や、風災、水災等の事故により修復期間中の家賃収入を補償する、従来からある『家賃収入特約』とセットでご加入いただくことになっております。


〈保険料イメージ〉

埼玉県内、木造2階建て25㎡×8戸室、月額家賃8万円×8戸室=64万円、の場合、残存物処理費用+原状回復費用を100万円まで補償、家賃収入を12か月まで補償の設定で『家賃収入特約』+『家主費用特約』の年間特約保険料は約3万円です。

この機会にご検討されてはいかがでしょうか?

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