累計51万部突破「お金が貯まるのは、どっち?」著者 不動産オーナーインタビュー

菅井 敏之(すがい としゆき)

お金の専門家、元メガバンク支店長、不動産オーナー、学習院大学さくらアカデミー講師


1960年、山形県朝日町生まれ。学習院大学卒業後、1983年、三井銀行(現・三井住友銀行)に入行。個人・法人取引、および、プロジェクトファイナンス事業に従事する。2003年には金沢八景支店長(横浜)に、2005年には中野支店長(東京)に就任。
48歳のときに銀行を退職。その後、起業し、アパート経営に力を入れる。現在では、10棟70室のオーナーとして、年間6000万円の不動産収入がある。また2012年から8年間、東京の田園調布にカフェをオープンし、お金に関するさまざまな相談を受けた。 銀行員としてのお金を「貸す側」、不動産投資家としてのお金を「借りる側」、どちらの視点も持っていることで、安定した定期収入を築くことに成功。
資産形成のための銀行の活用法、不動産の解説には定評があり、講演やセミナーでも一躍人気講師になった。
著書『お金が貯まるのは、どっち!?』はシリーズ51万部突破のベストセラーになった。最新刊に『一生お金に困らない!新・お金が貯まるのは、どっち!?』(いずれもアスコム刊)がある。
テレビ朝日系「庶務行員 多加賀主水シリーズ」をはじめ、銀行を舞台にしたテレビドラマの銀行監修を務める。
報道番組や情報番組などのメディアにも、お金の専門家として出演し、好評を得ている。
公式サイト https://www.toshiyukisugai.jp/


不動産賃貸オーナーになったきっかけ

メガバンクの支店長になった時、富裕層のお客様を担当させて頂くことが多く、時間的にも経済的にも余裕がある、自由に暮らされている方を見てきました。当時の自分はノルマに追われ、タイトな日々を送っていました。僕自身山形の出身なのですが、親を山形に残してきていて、それがとても気になっていたんです。そこで自分も余裕があれば、東京と山形を行き来出来るな、羨ましいな、なんて思っていたんです。実際に豊かに暮らしているな羨ましいなと思った10人をリストアップしてヒアリングしたんです。 そうしたら10人中8人が、アパート経営者だったんです。その内の4人は地主さんですが、他4人は元々地主さんではなかったみたいです。元々ラーメン屋やっていたが、辞めて、アパート経営に専念したという方もいました。その時、だったら自分もアパート経営出来るじゃん! って思ったんです。そこから42~48歳くらいまでに6棟物件を購入して、48歳で会社員をリタイアしました。

失敗しない賃貸オーナーとは

成功しているオーナーさんは、5つの原則に則って経営を行っていると思っています。

1.安全性の原則

我々は安心で安全で快適な環境を提供することで対価=家賃を得ていると思います。建築確認や耐用年数などを確認せず、利回りだけ重視する方はどうなのかなと…。安全性が守られていないと、災害が来たらアウトですしね。

2.収益性

利回りに目が行きがちなんですけど、実は利回りというのは全体ではなく一部ですよね。結局、所有物件が賃料収入で収益を稼いで、その後売却したい時に売却できるか、残債と比べてプラスになっているか、トータルでみた方が良いですよね。あとは金利と表面利回りの差イールドも重視して欲しいですね。

3.健全性

不動産賃貸経営ってチームでやってますので、健全な仲間が重要になってきます。例えば銀行・管理会社などに不誠実な仲間がいると上手く回らない可能性があります。尚且つ自分自身も健全で無いと、仲間から相手にされませんから、相手に求める以上に、自分も健全でいる必要があると思います。

4.成長性

賃貸経営って20年30年の話ですから、時間がたっても人気、満室にしておく必要があると思います。そこは長い期間で見通しが立っているかどうかですかね。デザインであったり、サービス、立地、グループホームにするなど長い間事業性が見込めるかどうかが大切だと思います。

5.流動性

ここはあまり考えない人が多いと思うんですが、なにかあったときにスムーズに売却・処分が出来るのか?はすごく大切だと思いますね。
この5つの原則をクリアしている人は成功しているし、逆に1つでも外していると失敗している人が多いと思います。実は今申し上げた5つの原則というのは、銀行融資の原則でもあるんです。銀行員ってこの5つをよく見て融資をしているんです。不動産賃貸経営って融資との付き合いがとても大切だと思うんです。なので融資の原則=投資の原則だと考えてます。そこをちゃんと意識している人が成功していますね。

今後の不動産市場はどうみますか?

不動産市場は、政治と凄く密接だと思うんです。あとは日銀の総裁の考え方と金融庁。この3名のキーマンをちゃんと見ていかないといけないと思います。3人の言動で不動産市場って大きく変わるので意識して見ていく事ですね。

特に政治の場合で言うと、どんどん人が少なくなっていく中で、不動産の数を無計画・無構図で市街化区域を広げていくと、地方は底なし沼で供給過多になっちゃうわけなんです。例えば、福岡は地価が上がっているんですが、水道の整備が関係しており、不動産の供給があまり出来ない様になっております。市街化区域を必要以上に広げていないんです。そうすると地価が落ちない=投資が集まってきます。不動産の需要と供給を左右する政策に、敏感に気づくことが出来るかが大切です。

2つ目に「働き方」のデジタル化です。これは不動産市場に大きな影響を与えると思います。これから、どこでも働けるようになると思います。これは自然環境の価値の再評価に繋がると考えます。例えばロケーションのいい不動産、川のせせらぎを聞きながら仕事が出来るなど。知的ワーカーを揃える会社の人材確保の一つの手段になる、自然の中に社宅や保養施設を建ててみたり、たまに自然たまに都会という行き来しながら仕事が出来る、そんな仕掛けを作った会社が商売があがると思います。インスタ映えする家やワクワクする環境を与えられる会社が、いい人材を獲得する、個人も法人も新たな形を作っていく、そういうところは伸びると思います。環境の変化に気づいた自治体やデベロッパーは成功すると思うし、二極分化が進みますね。また地方創生に繋がるし、皆良いことだらけですね。自然に囲まれると、アイデアも湧いてきますし、クリエイティブな発想にも繋がり、結果生産性が高まると思います。

KW AZ不動産エージェントビジネスについて

不動産会社に勤めている若い人たちって、一つの会社に所属して制約の中で仕事をするということだけではなく、自分自身の信用とか信頼とか誠実さといった無形資産を使って、独立出来たらいいなと思っている人がいっぱいいると思うんです。今後大きく展開する良い制度だと思うし、そこに目を付けた松本社長は素晴らしいと思います。

まだまだこの業界は胡散臭く見られていると思いますが、地位をあげていく為には、信用・信頼・誠実この3つは欠かせないし、絶対条件だと思うんです。KWという世界的な組織に属して、無形資産を活用して不動産取引を行う事は社会性が高いものだと思います。私も応援していきたいと思っております。

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