悪徳修理業者にご注意

一昨年は9月の台風15号、10月の台風19号と関東地方に大きな災害をもたらしましたが、最近、台風をネタにした悪徳業者が増えています。当初はニュースで耳にするだけでしたが、ここにきて弊社でご契約いただいているご自宅やアパートのオーナーさんからも相談が入っています。

手口はこうです。飛び込みで訪問してきて、

「近くの現場で修理をしている業者ですが、昨年の台風で屋根に何かしらの損害を被っている可能性がありますので見てあげますよ。台風による損害は火災保険で補償されますので、もし損害箇所が見つかったら弊社で保険会社への請求手続きをすべて代行してあげますよ。」

この提案だけを聞くと、“親切な提案だし屋根は自分で登って確認することはできないし、せっかくだから見てもらおうか” と思ってしまいがちですが、この業者が悪徳業者の場合はいくつかの問題が隠されています。

①台風による損害ではない不具合箇所や経年劣化箇所も台風による損害だとして修理見積書を作成し保険会社、保険代理店に請求してくる。
②保険金が支払われた場合そのうちの3割程度を代行手数料としてオーナーさんに請求してくる。
③保険金支払いの認定が受けられなかった場合も「放っておくと大変なことになる。」と修理を強要してきて、保険が下りないなら修理はしないと言うと、「では見積料をいただきます。」と高い見積料を請求してくる。
④最悪の場合は、本当は損害箇所が無いのに、故意に屋根を壊しそれを写真に撮って下りてきて「損害箇所が見つかりました。」とオーナーに虚偽の報告をし、保険会社に請求してきたりオーナーさんに修理を強要してきたりする場合です。

それぞれどこが問題かもう少し詳しく説明しますと、

①の場合で、点検をしてくれるまでは良いと思いますがオーナーさんに期待を持たせておいて、明らかに台風の損害ではないものを台風の損害として保険に請求してくるのは誤った行為と言えます。
②の場合は、工事を請け負ったならば工事代金の中から利益を得られるのに、支払われた保険金からも手数料を取るというのは過剰な請求です。請求手続きを代行した代行手数料だとの言い分なのでしょうが、請求手続きは契約している保険代理店に頼めば代理店はすべて無償でやります。それはあたりまえの代理店の業務であるからです。支払われる保険金は妥当と認められた修理代金に対してですので保険金の3割を手数料で取られてしまうと、せっかく保険金支払いの認定を受けても、修理代の3割はオーナーさんの持ち出しということになってしまいます。
③は屋根に登って点検した結果、台風による損害の可能性、経年劣化の可能性をきちんと説明してくれて、台風による損害の可能性がある場合は「可能性がありますので保険に請求してみましょう。」台風による不具合でない場合は「保険の対象にはなりませんが、できれば今のうちに修理されることをおすすめします。」という提案であれば全く問題ないと思います。
④は論外ですが、仮に保険金が支払われたとしても結果的に詐欺の片棒を担いだことになってしまいます。

飛び込み訪問の業者さんでも多くの場合は善良な業者さんであり正しく点検しオーナーさんに有益な提案をしてくださると思います。

もし、怪しいなと思ったらすぐに契約を交わさずに、アズ企画設計さんや管理を委託している不動産会社さん、火災保険を契約している代理店に相談しましょう。

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