【豪州不動産事情】8. 豪州ゴールドコースト不動産、新型コロナウイルスの影響

平穏な日々が待ち遠しい

<2020年3月23日> レストラン、カフェ、スポーツクラブに閉鎖の指示が出ました。但し食材を売るスーパーや料理の持ち帰り(テイク アウェイ)は営業可能。新築物件のモデルルームも閉鎖、不動産オークションもダメ、従業員は基本テレワークということで不動産事業が売買・賃貸ともストップしました。

<3月26日> 遊園地、博物館、図書館が閉鎖。ゴールドコーストがあるクイーンズランド州とシドニーのあるニューサウスウエールズ州の境界が封鎖され、州を越えての移動が禁止されました。

<3月30日> 2人以上での行動が禁止され、警察官が取り締まることに。個人の罰金は10万円、法人は50万円。仲間で集まっているのが見付かっただけで最高100万円の罰金か禁固6か月。実際にホテルの部屋に仲間で集まって酒を飲んでいるのが見付かって罰せられたり、海岸でバーベキューをしていた者たちに厳しい罰金が課せられました。

この頃、私のビルのテナントから続々と家賃の減免依頼が届きました。レストラン、ダンス教室、パーソナルトレーニングジムが一時閉鎖を強いられ、また社員全員にテレワークを強いられたオフィスからも「仕事が出来ず収入が無い」「家賃が払えない」との文書が。但し政府から賃貸物件の所有者に対し、できる限り家賃の減免あるいは延納の承諾をするよう指示がありました。延納を認める場合は、利息を付けたり強制的な家賃の回収をしてはいけないと。そしてテナント保護に協力してくれた賃貸物件所有者には固定資産税の軽減措置が検討されています。

このように早い時期から日本よりずっと厳しい規制をかけた結果、4月末日時点でゴールドコーストの感染者数192人、全員が回復し死亡者0人との報告です。

この時期でもコンドミニアムの収入がゼロでなかったところを見ると、同じ州の中で地元の人が気晴らしに宿泊施設へ泊まりに出掛けることには規制が無かったようです。

<5月16日> 待ちに待ったレストランの営業が再開されました。但し客席の間隔を十分に空けるなど、感染予防対策を取っています。6月13日には州を越えての旅行が解禁されます。これでホテル・コンドミニアムも通常の経営に近付きますので、各宿泊施設が積極的にキャンペーンを行って空白の3カ月間を取り戻そうとしています。果たして海外からの観光客を受け入れられるようになるのはいつの日でしょうか。

現在までに不動産の価格が落ちたとの情報はありません。何しろ契約そのものが行われなかったのですから。賃貸では当分、新規テナント募集で苦戦が続くことが予想されます。

今までと違う社会の形が出来上がってしまったと言われていますが、とにかく一日も早い経済活動の回復と、これまで以上の発展が望まれます。

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