新型コロナウイルスの影響による司法書士業務の変化

新型コロナウイルスの感染拡大は世界的にパニックを引き起こしました。日本では2020年5月25日現在、緊急事態宣言がようやく全国的に解除されるに至りましたが、完全な収束までの道筋が見えているとは言えない状況です。以前と変わらない生活は戻ってくるのでしょうか。

不動産取引の現場でも全員がマスク着用していることはもはや当たり前になりました。いわゆる「三密」を避けるためとはいえ、銀行の応接室でもドアや窓が開放されたままというのは以前では考えられなかったことです。取引の当事者が外出や面会を避けたいというご希望で決済に欠席することも珍しくありません。司法書士としては、電話やEメール、郵便等を利用して書類の準備や本人確認を事前に済ませることになります。

各法務局でも通勤の抑制等がされている影響で、登記申請や登記事項証明書(いわゆる登記簿謄本)の請求等は、法務局への出頭が必要ないオンラインや郵送での手続きが強く推奨されています。法務局が登記申請の受け付け自体を停止したなどということはありませんが、不動産登記の登記申請から完了までの日数は通常よりも2~3週間長くなっています。同じ物件への登記申請が続くケースではスケジューリングに注意が必要です。商業登記も同様に管轄によっては登記完了までの日数が長くなっており、例えば役員変更等の登記を申請しても変更後の登記事項証明書を1ヶ月近く取得できない可能性があります。

私が代表を務めている経堂司法書士事務所では、以前から登記申請のほぼ全件をオンライン申請で行っております。その他にも新たな感染症対策として、飛沫防止アクリルパーテーションや手指消毒液の設置、ドアノブや机等の消毒、相談担当者のマスク着用などを実施するようになりました。また、Zoomによるネット回線でのWEB相談や電話相談も開始しました。私を含めた所員のテレワークも可能な限り実施しております。

恐ろしい感染症のリスクを踏まえて、自分と周りの方々の健康に最大限留意しなければいけないのは当然のことですが、そのような中でも今後に向けて新たに気づかされる点が多くあります。これまでの不動産取引では残金決済日に関係者全員が集まるのがほとんど当然のこととされていましたが、条件が整いきちんと段取りできれば、わざわざ都合をつけて全員が集まらずとも資金を動かして決済を終えることが十分可能です。どの行政手続きもこれを機会にオンライン化がより早く進めば、それだけ国民全体の利便性向上もより早くなっていきます。Zoomを利用した打ち合わせやミーティングには顔を合わせたそれらにはない良さがいくつもあり、かえって有意義な時間だったと感じることもしばしばです。

先行きが見えない不安な状況は続いていますが、今後に向けたポジティブな変化を感じつつ、皆様へのサービス提供を変わらずに継続していきたいと考えています。

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