祖父の認知症で実感 !実親の財産管理のために信託契約を結ぶ

あれば憂いなし=家族信託Rのススメ=

「株式会社ディメーテル」代表取締役社長(東京都台東区)の岡田文徳氏が、両親と信託契約を結び、親の財産を管理するようになったのは、2016 年のことでした。

というのも、2013 年に岡田氏の祖父が病気で入院した際、認知症を患っていたため代理のサインをしてもらうことができなかったため、預金を下ろすことができないという苦い経験があったからでした。

「入院期間が延びたら、費用はどうやって支払うべきか」「祖父は不動産を所有しているけども、修繕や賃料の管理など、どうすればいいのだろうか」。

入院から3 カ月後、祖父は他界。入院時に大きなトラブルに見舞われることはなかったのですが、いずれ両親の財産を相続することになったとき、何かしらの対策を講じておく必要があると考えるようになりました。

祖父の相続発生時は、会社員だった岡田氏。不動産の管理などを行う両親に不動産賃貸業とは“経営”であり、事業としての認識を強く持ってもらうために、不動産経営に関する雑誌や新聞を購入して、読むように勧めました。そんなある日、父は新聞社主催の不動産経営に関するイベントに参加。聴講した司法書士のセミナーで、初めて『家族信託R』という仕組みの存在を知ったのでした。

祖父が認知症で、口座から引き落とせないという実体験があったことが大きなきっかけになったと思います。認知症になってからでは、自分で適切な財産管理が行えなくなるということを知り、行動に移したのだと思います」(岡田氏)。

日頃から積極的に会話していた家族間の良好な関係性も奏功し、岡田氏が両親の財産を管理するための民事信託契約を結び、不動産や預金の管理を行うことになりました。「もちろん認知症にならないのが一番です。しかし生きている限り、予期せぬ事態になることを想定し、家族のためにできる最大の努力を尽くすのが家族や資産を守るということだと思います」(同)。

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