駅から遠い築古物件を満室にした「ある設備」とは?

収益物件は、物件を快適に維持する必要があるが・・・

現在、日本では空室の多い物件が増えています。その原因を人口の減少に求める人もいますが、いくら少子高齢化だといっても、ニーズがゼロになっているわけではありません。どちらかといえば、空室の多い物件は、近隣物件との競争に負けているだけです。

そして、競争に負ける原因は、僭越ながら、不動産オーナーさんが、物件にお金と手間をかけていないことにあるのではないかと筆者は考えています。

収益物件というものは、リフォームを定期的に行って、入居者にあきられないように、また新規入居者の申し込みがとだえないように、物件を快適に維持する必要があります。なんとなれば、賃貸アパートとはサービス業だからです。そして、住まいは、衣類と同じように流行に左右されるものだからです。

お客様には引っ越しの自由があります。古くて汚くなったアパートにいつまでもいる必要はありませんし、同じ古くて汚いアパートでいえば、近隣にいくらでも安アパートを見つけることができるからです。

お金をかけてリフォームを行わない賃貸アパートは、魅力がありませんから、価格競争をするしかありません。価格競争で値下げをすると賃貸収入が減りますから、オーナーさんにはますますリフォームをするお金がなくなります。ひとたびこのような悪循環に入ってしまうと、なかなか抜け出すことができないのです。

電動自転車の設置により「駅までの距離」をカバー

今回、弊社が一棟まるごと購入したアパートは、駅から30分離れていて、まったく入居者が決まらずに、6室全てが空室となっている古い木造アパートでした。もちろん、そんな状態ですからオーナーさんもあきらめて安値で手放すことにしたのです。

弊社は、リフォームによって再生が可能と判断して購入に踏み切りました。最初に行ったのは、メリハリのある室内リフォームと外壁塗装で、アパートのイメージを現代的に一新することです。

それから、駅から遠いというこのアパートの最大の欠点をカバーするために、各室に電動自転車を購入して設置しました。エアコンのように、あらかじめ部屋に付帯する設備として備え付けたのです。これによって駅まで徒歩30分の距離が、自転車で10分に軽減しました。

さらに、最寄り駅の駐輪場を6台分確保し、その駐輪代も弊社で負担することにしました。もちろん、アパートの賃料の中から出すのですが、空室状態のときも駐輪場の代金はかかりますから、固定費としての出費になります。

そこまでする必要があるのかと驚く方もいるかもしれませんが、もしも駐輪場がなければ、入居者が自分で駅の駐輪場を探して契約するのは手間ですから、路上駐車で済ませる人も出てくるでしょう。その結果、大切な自転車が撤去されたりしたら、所有権を持つ弊社で取りに行かねばならず面倒です。それよりは、駐輪場も付けてあげたほうが使い勝手がよいでしょう。

こうして、足に負担のかからない電動自転車と、駐輪場をセットで付帯したおかげで、物珍しさもあったのでしょうが、すぐに満室になりました。もちろん満室になった後は、購入代金にリフォーム代金と利益を上乗せして、高く売却しました。

アパートが駅から遠いという欠点は、物件に固有の「ワケ」で、あきらめるしかないようにも見えますが、このようにアイデア一つで解消することができます。

電動自転車や駐輪場、駐車場を室数プラス家族の分まで確保するとか、あるいはエアコンを必要な部屋数分設置するなどは、大家さんにとってはたいした金額ではありません。

しかし、実際のところ、そのわずかな投資ですら決断できない大家さんが圧倒的多数です。それでいて、空室が多いなどと愚痴をこぼしていても、ある意味では当然です。入居者目線で積極的な投資をすることが収益性アップのキモだからです。

入居者に何が欲しいかアンケートを取るなどして、入居者満足を高めれば空室にはなりません。入居者を喜ばせている大家さんが結果的に勝ち組になれるのです。

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