中古住宅市場活性化に繋がる?家屋調査の必要性と役割

インスペクションを受けて、建物の状態を知る

皆さんは、インスペクションという言葉はご存知でしょうか?

インスペクションとは、調査、検査、視察、査察などの意味を指します。昨今、住宅業界では住宅の設計・施工に詳しい専門家(主に建築士等)が、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所や時機、費用等を見極め提案する「ホームインスペクション(住宅診断)」の重要性が指摘されています。

簡単に言うと、ホームインスペクションとは、住宅の専門家が第三者の立場で客観的に住宅の状態を評価するサービスです。中古住宅市場の活性化において、ホームインスペクションが担う役割は多岐に渡ります。

物件購入時に住宅取得をご検討の方はもちろん、中古ビルやマンションの購入を検討されている方々にも活用頂けます。本当にその物件を購入してもよいのか、購入後の具体的な修繕箇所、修繕にかかる費用の目安、工法、工期等について、専門家による具体的なアドバイスを受けることができます。

調査履歴を残すことで、売却時に高値で売る材料にも

また、調査内容を記載した報告書は、物件購入後から売却時まで維持管理・保管の記録とともに大切に残しておくことで、将来売却をする際、物件の価値を高めることが期待できます。次に物件の売却時です。

入居中の戸建・マンションの売却をご検討されている方はもちろん、同じくビルやマンションを所有されている方々にもご活用頂けます。近年、物件売却時にホームインスペクション等の住宅診断の報告書を査定項目に追加する不動産業者も増加の傾向にあると聞きます。売却を検討している物件の維持管理状況が分かるデータを保持することで、同じく売却時に有利に交渉を進めることも期待できます

アメリカでは7~8割が中古住宅購入時に利用

海外では、特にアメリカでの利用割合が高く、州によって異なりも有りますが、7~8割の方が、住宅購入前に住宅診断(ホームインスペクション)をおこない、購入者が安心して中古住宅を購入できる仕組みが整っている状況です。国土交通省では、消費者が中古住宅の取引時点の物件の状態・品質を把握できるように、2013年に「既存住宅インスペクション・ガイドライン」を策定しています。

内容としては、検査・調査をおこなう者の技術的能力の確保や検査・調査の項目・方法のあり方についてガイドラインを提示しています。今後、中古物件の購入・売却をご検討の方は、一度内容を確認してみてはいかがでしょうか?

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