賃貸住宅の入居者とオーナー様とのトラブルでよく耳のするのが入居者退去時のお部屋の損害についてです。入居者の過失でお部屋を破損させた場合は入居者に賠償義務があります。火事を起こしてしまった場合はもちろんですが、家具の移動中に壁にぶつけて穴を開けてしまったとか、洗面台に化粧瓶を落としてヒビを入れてしまった、などがよくあるケースです。
火災なら賠償額が数百万円以上で大変な金額ですし、ちょっとした破損で数万円、十数万円だとしても「そんな金額は払えない。」と言われて揉めているという話をよく聞きます。このリスクをカバーするのが『借家人賠償責任特約』です。
また入居者間のトラブルで多いのが漏水事故です。中でも洗濯機を回して出掛けた後に給水ホースが蛇口から外れて部屋が水浸しになり、階下の部屋にバシャバシャ漏水してしまったというケースが多く、何件も事故対応いたしました。このリスクをカバーするのが『個人賠償責任特約』です。
多くのオーナー様はご存じのことと思いますが、賃貸住宅入居者用の保険には入居者の家財の補償を基本として上記2つの特約がセットされています。単身用の部屋なら2年で1万5千円程度、ファミリータイプでも2年で2万円程度という安価な保険ですので絶対に加入しておくべき保険ですしオーナー様にとっても入居者さんに絶対に加入しておいてもらいたい保険です。現在多くの不動産業者さんが加入をおすすめしていて加入率はかなり高くなってきていますが、“ 保険法” 上強制できないので、必要性を十分理解してもらい、無保険の入居者を無くすようにすることが重要です。
それとオーナー様の責任が問われる事故でもっとも多いのが給排水管からの漏水事故です。賃貸住宅の建物にまつわる事故で最も多いのがこれです。先に述べた入居者の洗濯機の漏水事故でも同様ですが、もし漏水が何室にも及んだ場合、入居者への賠償金の総額は大きなものになります。家財の損害だけでなく、部屋が使える状態になるまでの間のホテルの宿泊費用も賠償しなければなりません。このリスクをカバーするのは『施設所有者・管理者賠償責任保険(又は特約)』です。ほとんどのオーナー様は建物に火災保険を掛けてらっしゃいますが、この保険(又は特約)に加入されていないケースをしばしば目にします。建物の規模にもよりますが、年間数千円の保険料ですのでやはり必ず加入しておくべき保険です。加入されているかどうか今一度ご確認をしてみてはいかがでしょうか。