父親の他界、母親の要介護状態を乗り越えて
加藤茂助オーナーは、東京都練馬区内の地主さんです。定年退職控えた12年前に隣家に住む母親が転倒して要介護になったことをきっかけに、母親所有のアパートを引き継いだのが始まりです。
引き継いだアパートは築44年の木造2階建て風呂なし。しかもリフォームはまったくやっていません。そんな建物ですので入居率30%と殆ど収益を生まない状態でした。
そんな中で引き継いだのですが、まずは大家の基本を学ばねばなりません。とりあえずは母親のやりかたをそのまま体験しました。
昔は、管理会社はなかったので月の初めには各部屋を回って家賃を集金したり、掃除をしたり。また、滞納者の部屋を訪問して人生相談を受けたりもしました。そうやって半年間、大家業の基本を学んでから次の方策を検討しました。
ある日買った本に、「築古物件は、外国人向けの賃貸住宅」にすることで物件を再生する手法があるということが書かれていました。仕事柄外国人と接することが多いのでこの内容はとっても心に残りました。
早速外国人をターゲットにしたアパート・シェアハウスにリノベーションすることにしました。その結果、リノベーション前の2万5,000円の家賃を6万円まで上げることに成功し、お荷物だったアパートが一気にお宝物件に変身したのでした。
その後、現在に至るまで建物内外に手を入れて長く住んでくれるアパートを目指しています。
具体的には、満室経営のために、
- 3 S(整理・整頓・清掃)の徹底
- バリューアップによる物件価値向上
- 入居者さんや仲介会社さんとのコミュニケーション
の3本柱を確立しました。
その結果、築58年になる現在まで小刻みながら家賃を値上げできました。「地主は土地を所有している有利な立場です。でも、不動産に関する知識がないと折角の財産がいつのまにかなくなってしまうことになります。まずは基本的な知識を身につけましょう。そして先代から受け継いだ貴重な財産を増やして子孫に残すために必要なことは何か?地主としてどんな行動が必要なのか見極める目を持つことが非常に重要だと思います」(加藤茂助オーナー)